TIMERの宿 薪料理&アンプラグド
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 現在、太陽光パネルで発電し、タイマーの宿・家とともにオフグリッド生活をしています。
遡ること4年、
ある事件をきっかけに決意を固め、
2014年7月『 脱九州電力』を目標に掲げました。
その事件というのはあまりにも幼稚で恥ずかしく人には言えないのでここには載せません。
それ以降、オフグリッド生活に向け、不必要な電化製品を減らしていくことから始めました。
電気の知識がないものが自家発電に挑戦するには、身の回りの物もシンプルにしなければならないと思ったし、物に溢れる世の中に疑問を持ち始めていたという理由もありました。


 最初に手離した電化製品は掃除機でした。
2人目の子どもが産まれた頃でしたので、子どもが寝てる間に掃除ができる箒とチリトリは重宝しました。


次にテレビ、
東日本大震災の年のお正月、帰省先の実家でお笑い番組を観て、人を笑わせ元気にさせる芸人さんの姿を見て笑いながら涙しました。
その時テレビも満更悪くないと思いましたが、
私の中では頭を空っぽにしたい時にテレビは観るものでしたので、必要と感じず手離しました。


次に炊飯器、
南部鉄器のご飯鍋で炊いたご飯をお櫃に入れておくと冷めても美味しい。


次に冷蔵庫、
これは中身が入っている状態で突然電源を切りました。
肉や魚や残り物は腐敗し、漬物や果汁は発酵し、ケチャップやマヨネーズなど保存料の入ったものは夏場でも腐りませんでした。
スーパーで買った野菜は腐り、八百屋さんの野菜はただ萎れていくだけでした。
有機野菜ということも関係しているかもしれませんが、人間も一緒で野菜も温度差に弱いんではないかと思っています。
私も萎れるように死んでいきたいと野菜の姿を見て思います


次に家に元々ついていたエアコンを産廃業者に引き取ってもらいました。


最後まで未練が残り決心がつかなかったのは、トースターとプリンターでした。


順番的に最初の方でもいいと思うのですが・・・
トースターはオーブン料理やパン焼きとして機能していましたが、鉄工所に勤めている義父に超厚手の鉄鍋と蓋を作ってもらい、それでパンやクッキーが作れるようになりました。料理的にりレベルアップしたとは思うのですが、未ださみしく思います。
手放す事をずっと渋っていたのはただ単にトースターという家電製品が好きだったということに気づきました。


最後にプリンター、
これはレストラン営業には必要不可欠でした。
しかし、インク交換やトラブルが起こる度に、餅は餅屋で印刷屋さんに任せたいと思うようになっていきました。
色々考えた末、今までパソコンで保存していたデータを全て印刷し原本として紙で保存、変更が頻繁にでると予想されるものは手書きやスタンプを使うようにしました。
それらを印刷屋に持ち込むという方法に変えました。
その都度出向かなければならないので面倒ではありますが、
壊れる心配もないし、計画的に運ぶ訓練だとも思っています


 減らした分、工夫するといった生活が始まリ、
数字で言えば、築40年の2階建ての一軒家に家族4人という住環境の中、使用電力は月に24kwh(500円前後)まで減らすことができました。
計算上では太陽光パネル1、2枚で生活できると確信しましたが、電気というものの知識がない私には、九州電力に止めて下さいと電話をする勇気はまだありませんでした。


 エアコンや車をなくしてから、家にいても暑いので徒歩か自転車、時々交通機関を使い子ども達と出かける生活になりましたが、街は木陰も少なく夏場は限られた場所でしか遊べませんでした。
土を避けアスファルトの道を選んで歩いてきた私でしたが、
街路樹のある道を選びながら、土と大木のある広場を求めるようになっていきました。
それでもアスファルトに囲まれた環境には変わりはなく、
室外機の熱や車の排気ガスの熱が敵に感じられました。


温暖化も進む中、子どものことを考えるとこれ以上ここにいられない、生活を元に戻さなければならないのか、それとももっと他の方法はないのか、選択に迫られていました。


中古ではありますが家も購入し、夫のレストランも軌道に乗り始め、たくさんの温かい常連のお客様に囲まれ家族皆幸せでしたが、物をなくして見えてきたのは、土や太陽や風の有り難み、そして家族と生活を創意工夫する楽しさ、そして絆でした。
 選んだ答えは自然が残る広い土地を探すということでした
私の奥深い所で、テレビに映った津波の映像が今も残っているんです。
進むべきだと感じました。


ご縁があり自然が残る広い土地を譲っていただきました。
建築工房の高木氏にアンプラグドで自立した宿というコンセプトでお願いし、2017年11月工事が始まりました。
パーマカルチャーデザイナーの四井真治さんの”自然に学ぶくらしのデザイン”という子ども向けに書かれた本を私たちの実践書とし、火・水・土をこの土地に合わせどう循環させられるか、環境のことも頭に入れ取り組んでいきました。


その中で水という問題にぶつかりました。
井戸水や雨水利用、雑排水の浄化装置、バイオトイレ、
自分たちで浄化し循環させたいという思いがありましたが、
私たちが選んだ土地は近くに民家があり、目の前には田んぼが広がっています。
正しく浄化できるのか、田んぼに汚水がこないか、匂いはでないか、など意見があり、結果、町が管理する合併浄化槽を設置することにしました。


土地選びの際に私たちが出した十の条件の中に『小さな駅が歩いていける距離にある』という一文を入れていました。
山の麓ではなく、民家がある方が安心という理由もあり国道から10分足らずのこの場所を選んだのは私たちでしたから、譲歩が必要な訳です。


それでも、石鹸やシャンプー・リンスを使わない水や、洗剤を使わない雑排水は浄化槽に流さず畑の水やりなどに再利用することを、許してくれるとありがたいと思っています。
水を大量に流せば浄化槽内の微生物が弱くなってしまうし、水も限りある資源だから大切に使っていきたいと思っています。


タイマー発電所までの道のりも険しかったー。
長野県のオフグリッドソーラーさんに必要な電力量を伝え、バッテリーやインバーター、コントローラー、ケーブルを揃えていただきましたが、
そこからは自分との闘い、理解できない説明書と結線図を手に火花散らしながら格闘しました。
ケーブルを焼いてしまったり、集電箱に穴を開けてしまったり、インバーター壊れたり・・・
根気強く電話対応して下さったオフグリッドソーラーさんに感謝。


万歳三唱するまで4ヶ月という月日が流れましたが、
この時間のおかげで火花も怖れることもなくなり、電気の仕組みも学んだように思います。
職業はヒッピーと言われるテンダーさんの”わがや電力” の本の中に火花を散らすことは発電の醍醐味だ!という言葉がありますが、
この言葉に何度勇気をもらったことか。
『12歳からとりかかる太陽光発電の入門書わがや電力 署テンダー』に感謝!いつかお会いしたい。


 太陽光パネル3枚分の電気で生活するということ。
発電させた電気はほぼ合併浄化槽のブロワーに使われ、余電力で携帯電話、デジカメ、インパクトの充電、夏場のDC扇風機、そして洗濯機を動かしています。
その他、電化製品はなく、頭や手を使っています。


洗濯機について。
夏は発電量も多く余電力で2槽式の洗濯機を問題なく動かせていましたが、秋になり元気よく回っていた洗濯機が回らなくなってきました。
2槽式の洗いは、右、左、右、左と逆流を繰り返す動きで洗濯機は頑張って汚れを落としていますが、電流もまた、強く~弱く~、強く~弱く~とリズムよく繰り返さなければなりません。
こんな事を続ければどっちもイカレてしまうと案じ、現在は脱水のみにしています。
でもこれも、始動時にとても電力がいるんです。
余電力が少なく、ツマミを回しても回転速度が上がって来ない時、頑張れー頑張れーと心の中で応援してしまいます。
こんな風に電化製品に向かって応援したのは初めてでしたし電化製品が初めて有能だと思いました。
始めに勢いよく回し後は回転に任せるだけ。
こういう単純な電化製品がいい!


電気がないんですか?
じゃー夜はどうするんですか?
と電気=照明と思われ、一番心配される明かりについて、
プラグやスイッチのない建物=アンプラグドでお願いしたので電気工事は入っていません。
高木さんの設計は屋根のトップは透明になっており、障子を通して自然光が入ってきます。住み始めた頃、出かける前に照明のスイッチを探すほど明るいんです。


朝太陽の光で目が覚め、陽が沈むにつれ建物内は暗くなり、ソーラーランタンやランプで明かりを灯し、版築壁や漆喰で塗られた壁は一層の温かみが感じ、眠りにつく時には電化製品の音のしない静けさを感じる空間に変わります。
身体が本当に癒されます。


太陽光パネル、太陽熱温水器、ソーラーライト、自然光、ソーラーフードドライヤー・・・
太陽と共にある今の生活


晴れれば心も晴れ 勇気に変わり
曇れば迷う
雨が降れば休み 不安がやって来て太陽を待ち望む 


                  
                2018年 秋 coba 
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